「私は、憎しみにかられて、沢山の命を奪った。許されない罪を、私は犯した」 それきり口をつぐんだ私に、牧師はそっと近づくと私の目を覗き込み、静かに口を開いた。 「それでも、あなたは、あの幼子を助けようと必死だったじゃないですか? あなたは自分の罪の重さを知って悔いて、苦しんでいる。神は悔い改める者を見捨てはしません」 月明かりの下。 静寂に包まれた会堂で…… 私は、声をあげて泣いた。