長々と得意気に喋る科学者らしき男の台詞の中に聞きなれない言葉を聞きとめ私が首を傾げると、白衣の男は爬虫類のような顔にニヤリと笑みを浮かべた。

「これは軍のトップシークレットだ。我が国は隣国との争いに随分兵を失ってしまった、そこで発案されたのがアイアンメイデン計画。君のように身内を失った孤児から適正者を見つけ出し、最先端の戦闘技術を持ったサイバノイドへと生まれ変わらせ、我が軍の守護天使となってもらう」

「守護……天使……」

「そう、守護天使だ。脳にも戦闘用のプログラムを凝縮したチップ……私は人工脳と呼んでいるがね。それを埋め込み、伝達できるよう神経系統と繋いである。常人を超えた力を発動させることが出来る機能と、頑強な体。人間よりも数千倍も早い処理能力を持った人工脳の性能があれば、一体で一つの部隊、いや……町を壊すのも簡単だろう。それだけの力を君は手に入れたのだよ」

 饒舌に男は語る。

「君以外の仲間もすでに存在している。皆、君と同じく少女ばかりだ。このプロジェクト名にもなってる呼び名その通りにね。アイアンメイデン……鉄の乙女。ぴったりだと思わないかね?」