第5話 「アタシ」







もともと体付きも「オトコ」らしくはなかった。





細く白い手足は重い物を持つには力不足だった。





でも―――





「………お待たせ」





教室の扉を開けると、みんなアタシを見たまま動かなかった。





「やっぱ、変?」





リエだけは笑顔で、





「そんなことないよ。すっごいかわいい」





と言ってくれた。