テーブルの上の飲み終えたカップをキッチンに持っていき、洗っていると、



彼女が、そっと後ろから
俺の腰に腕を回してきた。


「あ…っと、あの…っ、ま…りこっ…さん…?」



俺は、身動き出来ず、
心臓はバクバク鼓動した。


「啓人さん…」



「は、はい…」



「私を助けに来てくれてありがとう。
どうしても、きちんと伝えたくて…

それに、啓人さんの命があって本当に良かった…
あの時、頭からたくさん出血して動かないし
みるみる血の気がなくなるし…
ホントにどうなるんだろう…って…」



後ろから回した手が俺の着ているシャツをぎゅっと握りしめた。



「大丈夫、俺は簡単にはくたばりませんよっ」



くるりと、彼女の正面に向き直り、彼女の肩に手を置いて…