リビングのドアが開き
男性が入ってきた

「どうも…
毬子の兄の晃一です。」


いかにも高そうなスーツに身を包み、俺より高い身長。
オールバックにした髪、
そこにいるだけで緊張感が漂った…


「はじめまして、
桜町交番の神田です。
そして彼は私の友人で弁護士の川井智哉です」


俺と智哉は、ソファーから立ち上がり、
深く頭を下げた。


「大まかなことは、ウチの田中から聞いてます。
現場は、私の指示で鑑識も入ってますし、
捜査も始まってますので時期解決するでしょう。

ただ…
何故、
毬子があなた方を…?」


俺と智哉は、
顔を見合せ、どちらからともなく、
いつか彼女が俺たちに語ったことをそのまま伝えた。


「そうですか…」


対峙してソファーに座っていた彼は立ち上がり、
夕日が射し込む窓辺に移動し、しばらく沈黙が続いた。