4つ年上の兄、晃一。


警視庁に勤めるエリート。


お父様は、大学を卒業したらお兄さまに佐戸田の
事業を継いでもらいたかったみたいだけど・・・

事業には興味がない!と
あっさりと断って、


あれよ、という間に


キャリア組の出世コースを歩んでる。


「そういえば、毬子、
お前の大学の近くに交番あったんじゃないか?」


リビングを出ていったと思ったら、


私服に着替えて、戻ってきたお兄さま。


「え? そうなの? 
気がつかなかった」


「行き帰り、車で送り迎えされてたら
わからないのも無理もないか、、、」


メモ用紙に、交番の場所を詳しく書いてもらい、


大事なバイオリンの届出がないか


私自身で、交番へ尋ねに行く結論となった。


こんな殺伐とした世の中だけど、


親切な人がいますように。