コンコン ガチャ 「毬子、啓人、時間だぞ~」 「はい、お兄さま」 「行こう、毬子」 右手を毬子に差し出し、毬子は、左手を俺の手にのせる。 ゆっくりと立ち上がり、部屋を出て、 幼い頃から、毬子の世話をしてきた林さんが、廊下で毬子を待っていたので託し、 「じゃぁ、後で」 俺は、先に式場へ向かった。