控え室の前の廊下には、幸い誰もいなかった。 「きゃっ」 控え室に入ろうとする彼女の腕を掴み そこから死角になる廊下の角に連れて行った。 「啓人さんっ!」 大きくハッキリとした瞳が、一段と大きくなった。 「迎えにきたよ 毬子 辛い想いさせてゴメン・・・」 彼女の眼には涙が溢れた。 たまらなく、 彼女を抱きしめ、そっとキスをした。