「先輩! 今日はどうしたんですか?」


「楽団のことで、佐川教授に呼び出されてたのさ」


この春、設立された、大学の交響楽団。


大学を卒業し、それぞれ、国内外の交響楽団で活躍されてた
諸先輩方を大学が引き抜き設立された。


進藤先輩もその一人。


「毬子は? そんな大荷物でどうしたのさ?」


「あはっ、これ、ちょっといろいろと」


説明するのも恥ずかしい気がしたので、言うのはやめた。。。


重そうだから、持ってあげると先輩は言ってくれたケド、


莉沙子たちと待ち合わせしているから、と


断って、そそくさと別れてしまった。


本当は、少しでも先輩と話していたかったケド、、、


学生が少ない夏休みの学内でも、いくらかの学生たちはいて、


先輩ファンの女の子たちに何を言われるか・・・・


触らぬ神に祟りなし・・・・


奈々子と莉沙子との待ち合わせの場所へ急いだ。