『いや…ちょっと話をしたくてね…』 「俺は、話すことなんてありません!」 ピッ! すぐに通話を切った。 ポツポツと雨が降りだした。 アパートに帰るつもりが 、覚えているはずもないと思っていた彼女の家に足は向いていた。 白く高い壁の向こう。 もう彼女は、起きているはずはない… しばらく、彼女の家の窓を見ていた。 「…毬子…」 雨が強く降りだした。 踵を返し、戻ろうとした時…