晃一さんと会ってから、10日が過ぎた。 交番の仕事も徐々に覚え、パトロールで回る商店街の人たちの顔も覚えた。 ただ、俺の記憶は、まだ戻らない。 交番の中で、事務処理をしていると、 「お兄ちゃん」 ランドセルをかけた小学生の女の子が入口に立っていた。 「啓人お兄ちゃん」 その女の子は、俺の名前を呼んだ。 女の子の傍に行き、その子の目線まで腰を落とした。