=Guildius・Machina=

状況は互いにわかっているのだろうに、

『厄介なことになった。ヤツが弐号機を奪取した時には、ただの一般人だと捨て駒扱いだったが――今、トレースパーセンテージが100を超えている』

「ぅあっちゃ~……」

通信は悠長なものだった。

つまり、弐号機が襲撃してくるのは、矢ヶ崎真人の意思とは限らない。

もしかしたら、ギルディウスに乗っ取られている可能性もあった。

ギルディウスはその設計都合上、100パーセントのトレースは危険とされているのだ。

規模として見た場合、小さくは、パイロットの精神・人格の崩壊。

大きくは、ギルディウス暴走という、人類が大被害を被る危険性だ。

呻くついでに、手を顔へパシンとやりたいところだが、レンは十七歳にしてプロである。システム起動中に、そんなことはしない。

しかも、弐号機は下から振り抜いた大太刀を、さらに一歩踏み込んで、今度は振り下ろそうとしている。そんな暇はそもそもなかった。

「危なっ!!」

重心を、少し横へ持っていく。

太刀筋はクリムゾン機の紅い残像を裂き、地面に溝を穿った。

レンはそもそも弐号機の横へ回り込む。その間に、取り回しの悪い主砲からマシンガンに持ち換えていた。