=Guildius・Machina=

大きく後ろまで反らして振り被られた右腕が、

「ランサーモード起動!!」

変形した。

手甲部分が手を丸々覆うように滑り出し、右肘から先が騎馬戦で用いられる槍のようになる。

最大出力の加速から放たれる刺突が、

「うっるぅやぁぁぁああああ――!!」

一体、二体、三体四体五体六体の腕やや脳天、胸を貫いて、引き裂く。

血飛沫がカーテンのように、あるいは羽衣のようにギルディウスから舞った。

あっという間にケンタウロスの包囲網外へ駆け抜けた時には、さらに数体のケンタウロスが餌食となっていた。

もともと深紅のギルディウス・マキナ=クリムゾン機が、ことさらに赤く潤う。

スリッドの中で、単眼のカメラが爛々とさえしていた。

「――っ、まっだまだぁぁ!!」

ある程度の距離まで走り抜けたレンは、重心を左へかける。

左手でアスファルトに爪を立てながら、ギュルリとターンストップする。

そして見据えた正面――猪突で雪崩れ込んでくる敵勢に、もう何度目かの舌なめずり。

「さあって」

生まれた時から世界は戦争をしていた。

人間の命など、チリに等しい環境が始まりだった。

「行こうか」