=Guildius・Machina=

(あぁ、もっと、感じさせてみせてよ――生きてるってさ)

戦場にある。命を狙われる。そうしてレンは、人ひとりが背負うには重すぎるはずの殺意を、堪能する。

自己の存在を強く強く、実感する。

(みんな、私、ここにいきてるよ)

羨ましいだろ、と言ってやりたいところで、

「! ――見つけた!!」

左手側、50メートル先の交差点の影に、敵の姿を捉えた。

一般的な家屋ならば、体当たりで破壊することができるベルヴァー――ケンタウロスである。

馬の胴体に人間の上半身が生えている――と広く認識されているケンタウロスとは、わずかに姿が異なる。胴は馬だが、そこから生えているのは人間と山羊を混ぜたようなもの。

強靭な脚力から繰り出される突進、角の一撃は、戦車の装甲さえ貫かれてしまう。もっとも、ケンタウロスの体格を考えれば、串刺しよりも踏みつけるほうが早いだろうが。

発見したケンタウロスが、すぐにビルの陰へ逃げ込もうとする。

「逃が」

すか、と追撃を仕掛けようとしたレンは、疑問を抱いた。

ケンタウロスは群れ行動を取るベルヴァーである。それが、たった一匹で、ふらりと姿を見せるだろうか?

(まさか……)

思った、直後だった。