=Guildius・Machina=

(私が来るのを察知してどこかに隠れ、奇襲を仕掛けようってわけ? それか、挟撃でも企んでんのかにゃ? どうかにゃ?)

自分では、なかなか思いきりよく飛び込んだつもりだった。

それなのに、自分を迎えたのがこんな、得も言えぬ、明らかな『罠』を匂わせる静けさでは、

(――楽しく、なってきた♪)

興奮せずには、いられない。

自分な今、狙われている。命を。何十……いや、百数十は下らないだろう、敵の軍勢から。

生まれた時から世界は赤かった。空は淀んでいた。そして、人間はベルヴァーの侵略に怯えていた。

目の前で家族や、多くの人が死ぬのを、見た。

世界は、物心ついた頃から、血なまぐさかった。自分の命も、化け物に容易く切り刻まれる、薄っぺらいものだとばかり思っていた。

――ギルディウスに、ベルヴァーを打ち払う鎧に、出逢うまでは。

そこかしこに散らばっている、もはやクズのような肉塊。命の重さを味わえないほど稀薄だと思っていた自分の存在が、今はどうだろう。

全身で感じる。伝わってくる。

そこら中のビルに身を隠しているベルヴァーの視線を。自分をなぶり殺さんとしている、敵意を。