自虐しているんじゃない。自戒しているんだ。一生、付き合っていかなければならない、背負わなければならない、十字架なんだ。

縫合して、痛みを和らげて、時間という名の消毒液で癒し、消してしまうわけにはいかない。

いつまでもいつまでも、疼き続けないといけない。化膿しても、腐っても。

……夏が、来るたびに。

彼が、彼女が、同中でなかったなら……それでなくても、私の中学校のことを知らなければ。もしくは、同じ高校に進学してこなければ、よかったのに。そう思うこともある。

だけど、口には出さない。

壮馬くんやユウちゃんに悪く思われたくないからじゃない。私が悪く思われるくらい、どうってことない。

私は、私の一言で彼と彼女が自分の進路を考え直さなくちゃいけなくなるのが、イヤなんだ。

だから、二人が私とおんなじ高校を受験すると知った時も、ただ、頷いた。心の中で、「どうして?」と訝しがりながら。