「つか、さっき話に出てきただろが。…ま、面白いから言ってみ?」
「スケー番。」
「…いつの時代だよ。」
「………………。」
「…姫も帰るか?」
「うん。」
「じゃ、俺 送ってくから高みぃ、後はよろしく。」
「…高みぃ。」
高村は、少し不満げな様子。
車内――
「…タバコ似合うね。」
「あ…やべ。
禁煙してたのに…。」
「禁煙してたんだ?
何で?体のため?」
「…陽菜のため?」
「陽菜?」
「…煙草なんて吸うもんじゃねぇよ。陽菜がさぁ、妊娠してんの知ってたから。」
「え!?嘘っ…
あたし知らない…。」
「誰にも言わなかったんだよ。…俺にも。」
「え…?じゃあ何で…」
「妊娠検査薬の箱見てさぁ。」
「………………。」
美姫は言葉が出ず、何も言えずに口をつぐんだ。


