「成瀬、取ってきたぞ。」
「サンキュ。」
そう言って、留以は陽菜の携帯を開く。
画面は真っ黒だ。
「こんなこともあろうかと、充電器持ってきといて良かった〜。」
「用意周到だな。」
「ふふん。」
留以は得意気な顔をして、充電器をプラグに差し込んだ。
電源ボタンを押す。
ピーッ・・
Starting systems
Wait a minute...
待ち受け画面と電波を表す3本線が現れ、次にアイコンや時計、電池残量などが現れる。
それを待って、留以はメールのボタンを押した。
「受信ボックス…と。」
「…あったか?」
高村が急かすように尋ねる。
「ん…これか?デス…カウントダウン…?」
「“死のカウントダウン”か…。まぁ、ただの『イタメ』だろうな!」
高村は『イタメ』の部分を強調して、トゲトゲしく言い放った。
「…いや、そうとも限らねぇぜ。」
「え?」
「…カブってる。」
「何がだよ。」
「…陽菜の死亡推定時刻とメールの着信時刻。」


