「お、来たか。」
「はい…。」
「この浮気男!」
「…は?」
「姫から聞いたぞ。うちの陽菜が居ながら他の女を好きになった馬鹿者!」
ついさっきまで緊張していたのが嘘のように、隼人は呆気にとられていた。
「は…?つか、誰っすか。」
「陽菜の兄であり、刑事である成瀬 留以様だ!」
「えっ…陽菜の…!?」
「おぅ。知らなかったのか?」
「全然…。」
「ったく。で、そっちは。」
「へ…?」
「なーまーえ!」
「ああ、吉良 隼人です。」
「きら…はやと…っと。
かっこいい名字だなっ。」
「はぁ…どうも。」
「んで、フったのは何時頃とか覚えてるか?」
「えっと…5時頃…かな。」
「ふ〜ん。…どんなフリ方したんだオメェは。」
「え…いや…あの…」
「答えやがれ。」
「…好きな子出来たから…別れてほしいって。そしたら俺の言葉 遮って“死ね”っつって、走ってどっか行きました…。」


