桜の花びらが教室の窓から入ってきた。 寒い季節が終わって、暖かくなったら。 私達は進級して三年生になった。 珍しく教室にいる私は、席について窓の外ばかり見ていた。 「心此処にあらず。」 珍しく亮はまともな事を言って。 珍しく秋矢が近くに居なかった。 「花見行く?」 話す女友達さえいない私は、教室内では独り。 亮が話しかけてきた。 「何急に。」 私は視線を取り戻し、亮を見た。 「誰と誰が?」