さて。4人を見つけなくては話にならない…が。この恰好で補導されないものだろうか?
私は真剣にそれを悩んでいた。補導、気になるが。それよりも私はこの恰好じゃないと昂の4人に認識されてもらえないだろうか。
逡巡の末着替えに戻ることにした。

養護教諭に説明したことはあながち嘘ではない。頭痛というその一点を除いて。
殆ど習性でただいま、の声を張る。その後のしいんと静まり返ったその空気で私はあらためて両親の不在を認識した。両親の不在は1週間か。まあ動くのに有利なのはそのうちだろう。…今回は少しばかりやんちゃな人が相手のようだし。
シャツに着替えて表を出る。金銭の類は不要かどうか考えて、一応上着のポケットに3000円入れて家を飛び出した。
あのやんちゃな人たち相手に3000円って、少々不安な部類に入るのだろうか。