「す~み~れ!!」



「何か?」



「私が、ジャンケン弱いのご存知ですよね」



「たっぷり知ってますよ?」



あたしのオジサンの利人は、ジャンケンが兎に角弱い。でも、勝ちたがりだから、良く賭けをして負けて帰って来る。



まだそれは良い。でも、屋敷の物が毎回どんどん減るのはあたし的にもイヤだった。



屋敷には、シャワーなど風呂は全部利人の相手の持ち物に。


そこで、あたしが九条組の組長になったと言うわけだ。



弱い組長だけど、皆に慕われる快感はたまらない!!



「菫、明日から隣町に行って下さいね?」



利人は、満面の笑みを浮かべあたしに言う。



「は?寝ぼけた事言ってたら、そのふさふさロン毛ハサミで、ハゲにしますよ?」



シャキんとあたしは、どこからか取り出したハサミを手に持ち、利人に近付いた。



だけど、利人の方が一枚上手で、側を通りかかった組員の腕を引っ張り利人は、あたしに差し出した。



チョキン



あ……



「オレオレ詐欺じゃねぇ~!!オレのオレオレのマイスイート髪ちゃんが!!」