昨日晴樹君が 帰り道に送ってくれた。 そして夜は過ぎて日が昇る。 めくるめくように 時は過ぎていく。 気が付けばちょうどお昼休み。 もちろん彼の噂は 今日も存在していた。 『昨日は普通の女の子を 人質にとってたらしいよ』 …それって多分、私だよね。 でもそんなこと言えないの。 そんな噂の的の彼は まだ学校には来ていなかった。 「蓮実、ご飯食べよー」 チャイムが鳴ってすぐに 飛んできたのは相変わらず 元気が取り柄の結依だ。 お昼ご飯はいつも2人で 校舎の隅にあるベンチで食べる。