「さっきのケンカでさ、
途中で大きな声で
止めようとしたよな…」
「う、ごめんなさい。
また勝手に口出したし。
それに……」
「いや、それは別にいい。
ただ気になってるのが
そのあとに『殴れー』って
叫んだことなんだよな」
私が一度止めた後のに
今度は殴るように言ったのか。
花井君は
疑問に思っていたようだ。
ずっと黙っていたのは
その理由を考えていたからかな?
「それは正当防衛になると
思ったからで…」
「正当防衛?」
始めて聞いたというように
眉間にしわを寄せている。
こんな顔もするんだ。
「う、うん。
簡単に言うと先に手を
出した方が不利って事かな」
「でも俺らのような奴らじゃ
そんな言い訳関係ぇねーよ。
サツも分かってくれねぇしな」
その言葉を大きく笑いながら
しゃべる花井君。
でも私には悲しく聞こえるよ。

