私は何も 言い返せなかった。 事実は他にあるって 分かっている。 「あなたが証明できるなら 話は別です」 「えっと…」 そして近くにいた 龍慈君に目を向ける。 「この人が 全部知ってるんです!」 そして 龍慈君を差し出す。 「…この人が?」 先生たちは不審そうな目を 向けていた。 そう、傷だらけの彼は 相手にされない。 目も合わしてくれない。 「いいから、行くぞ」 龍慈君は私の腕を 引っ張って行く。