*** 蓮実は何も出来ずにいた。 私はただのお荷物だ。 こんなことになったのも全て、 私のせいだ。 助けに来たのは 自分だったはずなのに。 突きつけられたナイフが 冷たく少し触れた。 『助けて』って大きな声で 言いたいのに声が出ない。 晴樹君は私を 龍慈君の彼女だと言う。 俺は関係ないって。 これは嘘だ。 私を守ろうとする嘘だと 分かっていた。 でも嬉しさより、 寂しく感じた。 「彼女じゃない」 龍慈君は断言する。 思わずのことで 顔を上げた。 だって、 まさかだったから。