「は…すみ…?」 「結依!!!」 「蓮実…!!」 そのまま私は 彼女を抱きしめた。 顔が強張っていた。 そして手の震えが 止まらないみたいだった。 その手が指すのはグラウンド。 その先に見えたモノ。 土煙ではっきりとは分からない。 でも、そこは 地獄のようだった。 状況は一対多勢。 土煙は止まない。 生き物のように 舞い続けている。 そこにまき散る血しぶき。 飛び交う拳。 強面の表情。 痛いなんてものじゃなかった。