それは本当に度胸がいること。 今まで通りに先輩は 周りから殴られたり、 蹴られたりされていた。 今までの先輩もずっと この儀式を受けていた。 いわゆる1対多勢。 顔面はつぶれるほど ムチャクチャに。 骨も粉々になるくらい。 でもこれが 辞める時の儀式だった。 「安藤…先輩…」 「龍慈、泣くな!」 俺たちは声を枯らしながら ひっそりと涙を流していた。 やっと儀式が終わった頃。 誰もいなくなってから俺らは 安藤先輩のもとに駆け寄った。 もう息は絶え絶えしかった。