「…やっぱり見えないや」 私は仕方ないよねと言うように 諦め口調になっていた。 「もう少し離れてみて。 窓の外というよりは 窓だけを見るんだ」 言ってる意味が分からない。 ただ『まだ諦めるな』って 言ってるみたいだ。 私はもう一度だけ見る。 見えなかったら その時にまた考えればいい。 晴樹君は確かに 『好きだ』って言ってくれた。 確かに疑ったけど少しだけでも 信じてみたいって思えたんだ。 言われたように少し離れて 窓全体を見るようにした。 「……あっ!!!」 窓に見えたモノ。