懐かしい匂いと共に戻ってきた隆介。


「ほら!これだろ!」


私の手に乗せられたのは、


真っ白な肉まん。



ホカホカの肉まん…




涙がこぼれて、肉まんに涙が染み込んじゃうよ…




「美亜…来年も来ような!」


抱きしめられた。


首の後ろに腕を回されて、私の耳元で隆介の声が響く。




「うっぐ・・・うぐ・・・隆介・・だいすき・・・」



そっと、


キスをくれた。




「美亜は、皮が嫌いなんだろ?俺が皮、食ってやるから。一生な・・・」




涙と肉まんの味が混ざり合う。




まるで、


そこにお父さんがいるような…



天国から遊びにきたお父さんが、私と隆介の前にいるような気がした。