滅多に外では手を繋がない隆介が、私の手をしっかりと握った。 繋がれた右手。 荷物を持つ左手。 私は涙を拭くことができず、頬に涙が伝う感触を感じた。 「ばか・・・ 泣き虫!もっと泣かせてやろうか?」 私の大好きな、ちょっといじわるな顔をして… 私の耳に口を近付けた。 車の音や、店内の陽気なスペイン音楽に紛れて聞こえた声。 『一生、愛してるよ』 悔しいけど… 私の涙は 洪水のように溢れて… 隆介のハンカチで拭われるまで、ずっと流れ続けた。