ふと、自分の唇を指でなぞる。 ついさっき起きたばかりのあの出来事の映像が、頭の中を流れる。 「…う」 あたし、やばい。 キスしてしまった……知らない男の人と。 あんな……あんなに格好いい人と。 「うわぁぁああ────────っっ!!」 誰も居ない(はず)の学校で、ひとり叫ぶあたし。 この日、あたしのファーストキスは奪われました。