真ん中の席あたりに仲が良かった友達の姿を見つけた。
「和之!タツ!」
思わず手を伸ばす──が、やはり触れることが出来ない。
2人とも唇を噛み締めている。
目が少し潤んでいる、泣くのを我慢してるような表情。
俺は本当に死んだんだ。
さっき、気づいたけど、彼らの表情を見たら急に実感が湧いてきた。
自分の手のひらを見て、握りこぶしを作る。
この手じゃ、何も掴めない、触れられない。
俺が存在していない証拠だ。
手の力が急に抜けた。
頬に暖かい雫が伝ったのが分かった。
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