「あのさ、それ笑いをこらえているつもり?口がニヤけているよ」 肌を耳まで赤くさせたまま、顔を覆っていた手で俺の唇の端をつついてきた。 彼女の指の位置が、上がっている口角を証明させている。 笑うなって無理。 莱の手を包んでいた両手を彼女の両頬に移動させ、某アニメのカレーパンのキャラみたいにビヨーンと伸ばしてみる。 「なにひゅんのよ。ゆふのぶぁか」 バカと言っておきながら、下を向いてさらに顔を赤くさせるから、また頬を緩む。 いちいち恥ずかしがる姿がたまらない。