俺に握られていない左手で顔を覆う莱。 可愛いところもあるんだな。 男みてぇな口調は照れ隠しみたいだし。 なんか、なんかさ 「はははっ!」 笑えてくる。 入学した時から思ってたけど、見た目とのギャップがありすぎだろ、この女。 ビックリと可愛いのが混じって笑ってしまう。 「優羽!」 莱からの刺さるような視線を感じた。 あ、やべ。 緩んでしまった頬に力を入れて引き締めた。 我慢するんだ、俺。 莱に何かされるのはゴメンだ、うん。