そして、何分か経った頃。 突然、莱の手が俺の胸ぐらに伸びてきて、力強くつかんできた。 「慰めてよ」 女らしくないことをしているけど、莱の目はまだ潤んでいる。 さっきまで可愛く泣いていたのに、胸ぐらつかむって。 普通に“慰めてよ”だけでいいじゃん。 口より先に手が出るタイプだな。 別に莱のこと嫌いじゃないから慰めてあげてもいい。 けど……どうやって慰めんだよ。 「具体的にどうして欲しいんだ?」 そう問いかけると、胸ぐらから莱の手が離れた。