莱は顔を下げて、自分の右頬をギュッとつまんだ。 下から上に引っ張るようにつまんでいるから、唇の右端だけ上がっている。 見ているこっちが笑ってしまいそうな顔のまま、俺の席の机に座った。 「タケユキってね、サイテーな男なんだよ。あいつ、あたしのカラダが目当てだったの。 している時に“好き”って言ってくれたから……信じていたのに」 バカだコイツ。 タケユキの噂を知らなかったのか? あいつ、女を性欲処理の道具としか見てねぇって噂あるだろうが。