――と、言った瞬間 バチンッ……! 自分の顔が少し右に向き、左の頬が熱を持った。 何が起きているか分からない。 あれ?これ、告白の練習だよな? 叩かれた? 「痛いんだけど」 人がせっかく練習相手になってあげたのに、いきなり叩いてくるってどういうことだよ。 ため息が出る。 さっきのあからさまなものとは違う。 睨んでやろうと、少し右に行っていた視線を莱に向けた。 すると、莱が下から見上げるように俺を睨みつけてきた。 「あんたって、嘘つきでサイテーな男ね」