「優羽ってバカなんだね。気持ちを伝えるのって、本当に勇気がいることなんだよ?」 “だから、早く練習相手になれバカ男”と、少しイラッとする言葉を付け足して、俺の右肩をポンポンと叩いた。 「じゃあ、優羽は今から“タケユキ”になってね」 タケユキって、名前聞いたことあるな。 そこら辺の女より可愛いというか、美しい容姿の男らしい。 見たことねぇから本当かどうかは知らないし……いい噂を聞いたことがない。 まぁ、俺も人のことを言えないけど。 「タケユキ、か。――了解。早く始めろよ」