龍の世界

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麻綾が屋敷を出て一時間後────






「気をつけてね」


「後はお願いしますね、柳瀬」


「ああ。幾斗も、体調が悪くなったら帰って来なね」


「・・・はい」





幾斗は皇也、湯川、藤堂と共に門に立っていた。


柳瀬は心配そうに幾斗の顔色を伺う。




「あちらがどうしても麗龍に会いたいと言うからしょうがないけど、無理はしないようにね」




「大丈夫ですよ柳瀬。ちゃんと周りは固めてありますから」


「そうだね」


「では行ってきますね」


「言ってらっしゃい」




柳瀬に見送られ、4人はリムジンに乗った。



皇也以外は皆スーツで、皇也だけが和装だった。
緑がかった髪を高く一つに結い上げ、普段とは少しだけ雰囲気が違う。