「オムライスは、よく黎雅さん自慢してた」


琉伊はそう言って目を細めた



「いつも弁当持って皆に自慢しまくってて。すごく嬉しそうだった」


「えっ、そんな事してたの?恥ずかしいなぁ、お兄ちゃん」


「コーヒーもオムライスは何回か貰ったことある。あの頃の俺はあんま食べる事しなくて、ガリガリのガキだったからな…よく黎雅さんに無理矢理食べさせられてた」



少しだけ悲しそうに目を伏せる幾斗に私は笑い掛けた。



「今日の夜は一緒にオムライス食べよっか?」



幾斗は目を開いて驚く
私はまた同じ事を繰り返し言う。



「ね?一緒に食べよ」


「・・・──ああ」




少しだけ、幾斗が笑った気がした。