仕事でほとんど家にはいなかったけど


ただ一人、私を大切にしてくれた人だった






“ありがとう”も“ごめんなさい”も言えないまま










もう会えない

声も聞けない

笑顔が見えない







いつかあなたが言っていた







『人の命なんてちっぽけだ……

けどな、その命の火が消えたとき、その人間を慕う人間は自らの世界を喪うほどの悲しみを背負うんだ…』














あの時、「なにそれ」…
なんて笑ってた──












本当だったよ──





体が引き裂かれそうだった…



私の世界が…




壊れた気がした…



















たった一つの鉛玉で散った、とても小さな命だけど

その存在は何よりも大切だった…









どうして死んじゃったの?



































「お兄ちゃん…」