*****
熱から回復した私は、今日も学校へ行き、運転手付きの高級車に乗って帰る。
初めは見張りも兼ねていたこの送迎にもすっかり慣れてきた。
あれから麗龍の病院には行っていない。
誰も強要しないし、会っても、今の私にはどうすればいいのか分からないからだ。
ただ、このまま放置するのも嫌なので、今日の放課後、病院に行くと言ってある。
それを報告したときの、若桜さんの嬉しそうな顔を見てしまえば、後には引けなかった。
「病院に、藤堂さんがいらっしゃいますので、帰りは藤堂さんとお帰りになってください」
「あ、はい。わかりました」
運転手さんにお礼を言って、まだ二回目となる病院に足を踏み入れた
ロビーの隅で、壁にもたれて煙草を吸う藤堂さんを見つけ、駆け寄る
普通にしているだけなのに、やはり極道の人は人目を引く
だが、本人はそんな周りの視線を全く気にしている様子もない
「藤堂さん」
私が声を掛ければ、煙草を消して傍に来る
「お疲れさん」
ポンポンと私の頭を叩いて、そのままポッケに手を入れる
「じゃあ、行くか」
「はい」
「心配しなくても、あの糞ガキは俺等がちゃんと見張ってやっから、安心しろ」
「寧ろ私を見張ってほしい」と思いながらも口にはせず、苦笑を返した。
前と同じ立ち入り禁止区域を進むと、護衛の人たちが藤堂さんに頭を下げる。
「お疲れ様です、藤堂さん」
「おう、お疲れ」
藤堂さんは頭を下げる部下の人達に適当に返事をして、廊下を進む。
病室に近付くに連れ、不安になる。
彼、どんな反応をするだろうか……。
鞄を持つ手をギュッと握り締めた。
病室の前は、相変わらず物々しいのだが、藤堂さんはノックもせずにドアを開けてしまった。
「よぉ、麗龍。自殺してねぇか?」
どんな挨拶だ・・・
熱から回復した私は、今日も学校へ行き、運転手付きの高級車に乗って帰る。
初めは見張りも兼ねていたこの送迎にもすっかり慣れてきた。
あれから麗龍の病院には行っていない。
誰も強要しないし、会っても、今の私にはどうすればいいのか分からないからだ。
ただ、このまま放置するのも嫌なので、今日の放課後、病院に行くと言ってある。
それを報告したときの、若桜さんの嬉しそうな顔を見てしまえば、後には引けなかった。
「病院に、藤堂さんがいらっしゃいますので、帰りは藤堂さんとお帰りになってください」
「あ、はい。わかりました」
運転手さんにお礼を言って、まだ二回目となる病院に足を踏み入れた
ロビーの隅で、壁にもたれて煙草を吸う藤堂さんを見つけ、駆け寄る
普通にしているだけなのに、やはり極道の人は人目を引く
だが、本人はそんな周りの視線を全く気にしている様子もない
「藤堂さん」
私が声を掛ければ、煙草を消して傍に来る
「お疲れさん」
ポンポンと私の頭を叩いて、そのままポッケに手を入れる
「じゃあ、行くか」
「はい」
「心配しなくても、あの糞ガキは俺等がちゃんと見張ってやっから、安心しろ」
「寧ろ私を見張ってほしい」と思いながらも口にはせず、苦笑を返した。
前と同じ立ち入り禁止区域を進むと、護衛の人たちが藤堂さんに頭を下げる。
「お疲れ様です、藤堂さん」
「おう、お疲れ」
藤堂さんは頭を下げる部下の人達に適当に返事をして、廊下を進む。
病室に近付くに連れ、不安になる。
彼、どんな反応をするだろうか……。
鞄を持つ手をギュッと握り締めた。
病室の前は、相変わらず物々しいのだが、藤堂さんはノックもせずにドアを開けてしまった。
「よぉ、麗龍。自殺してねぇか?」
どんな挨拶だ・・・

