―武田・上田Side―


「見た?神崎の顔…。」

「…見た。」


「かなり可愛いかったよな?」

「あぁ…柚莉ちゃんと同じくらい。」


「その上、色白で華奢だし…浴衣の合わせから見えた谷間。」


「かなり胸あるよ、あれ…。」


武田が上田の顔を見ると、真っ赤に染まっていた。


「上田…顔真っ赤。」

「…うっせぇ…。」


上田は両手で顔を覆う。



「ヤベー…マジで惚れたかも…。」


「本気?」

「本気っ!!」


武田の問いに上田が強めに返す。



「神崎杏樹、ぜってぇー手に入れる!!」



「ま…お前なら楽勝だろ。」



静かな廊下に、二人の声が響いた。




これが、後々問題になることを杏樹は知らなかった。