へたくそなギター弾き


「はい。」


『そうか。』


「時々、誰もいない路地裏で歌ってますよね。」


『知ってたのか…?』


「はい。 いつも悲しい音色を奏でてたから。」


『(悲しい音色…)お前、俺がさっき歌ってた歌詞覚えてるか?』


「覚えてますよ?
歌うたいのバラッドですよね?」


『─歌え。』


「えっ!! 今ですか?!」


『今じゃなかったらいつ歌うんだ?』


「あ、そっか」なんて言いながら、笑う琉歌に構わず俺はイントロから弾き始めた。


─~♪~


「もうですか!?」


琉歌は慌てて立ち上がると、深い深呼吸をした。


「あぁ~…♪」


俺は琉歌の歌声を聞いて衝撃を受けた。
こんなにきれいな声を初めて聞いた。
それは、琉歌が言った言葉に似ていた。
こんなにきれいな歌声は聞いたことがない…


天使のような声。
よくそう表現する人がいるけど、天使の歌声を聞いたことがあるのか?と聞いてみたくなる。
でも、まさに琉歌の歌声は【天使の歌声】だった。