「あのな、優子。しばらく声が出そうにねえんだ、この咳でよ。だから本当は楽しい話をしておきたいとこなんだが、ちっとおいらの話を聞いてくれるかい?」 −ろく……。また話せるようになるんですよね? 「ああ、大丈夫だ。風邪が治りゃあ、嫌っちゅうほど話すぜ!」 −良かった……。 「でな、優子。航太のことなんだがな……」 −はい……。