ブーン……ブーン……という音が響き始める。 その音は最初、前のほうから聞こえ始め、後ろ、右と、次々に伝播していった。 いや、それは音ではない。 空気が振動しているのだ。 猫たちのうなり声が狭い路地に反響して私たちを取り囲んでいるんだ。 その時、私たちの前に一際大きな猫が姿を見せた。 もう回りは暗くなり始めているのに、片方の目だけはなぜか細目のままだ。 その細い方の目だけ微かに青白く、鬼火のように光っている。