「……ああ、どうも」 おばさんはそれだけ言うと、私が玄関に手を掛けてるのもお構い無しに引き戸を閉めた。 猛烈な勢いで。 −…… や、やられた……。 父親はこうなることがわかっていて私を使いにしたんだ。 アイツめ……。 私は自分が千円で釣られたことを棚に上げ、思いつく限りの呪詛を心の中で父親に投げつけた。