「オッス!」 猫は陽気に手を上げた。 私は「はあ」とあいまいな返事を返す。 「オイオイナンダヨ! ずいブンごあいさつじャねえか!」 私は怒られている。 二十五歳にもなって、千円で釣られたお使いの途中。 見知らぬ街の路地裏で、猫に怒られている。