−ろく……。絶対、探し出してみせるから! 私が路地の真ん中に立って、そう宣言した時だった。 工場側のフェンスの向こうから、ヨチヨチと何匹かの子猫が転がるように路地へ出てきた。 私を見て警戒する子、不思議そうに首を傾げて見る子、一目散に逃げる子。 季節は春。 今年生まれた子達だろう。 何匹生まれたのかな? 私がそう思ったとき、遅れて一匹の子猫が現れた。